黒鯛に挑戦
フライで、一文字堤で釣りました!
使用タックル
ロッド K・Bullet XD #4−5 11ft
ライン #5 Fライン
リーダー リーダーのテーパー部からカットし、4mの マーカーリーダーを使用、(メインライン1.75号ホットオレンジ、フライライン8mm 13cm間隔)ティペット 5x
フライ イガイフライ(タイプ1) タイプ1 タイイングのページ
実際にこの写真のフライを使用し、ヒットさせました。このフライの重さ、1.3g
そのほかに、タイプ2の1.23gと波の中でアタリが出たのは同じくタイプ2の1.8gを使用した。
タイプ2 タイイングのページ
2005.10.19 潮時間は午前7時が満潮。朝マズメのベストタイミング! この日しか無いかもしれない!・・・・
日々秋めいてきて気温が低下しているために、黒鯛は外海へと落ち、いなくなってしまう日は迫っていた。この日、台風が沖を走り、三河湾内でも波は高くなりそうな状況である。波が高くて行くのは無理かもしれないと思われたが、この日を逃すとその後の日程は、四国、岡山、福島、函館と秋のキャスティングスクールや大会、撮影とスケジュールはめいっぱい。これが今シーズン最後のチャンスになるであろうと思われ、早朝から一文字堤に行くことを決定した。
落とし込み釣りの師匠であるタツヤ氏もそして仲間たちが休みを取り、一緒に行くことになった。みなこの日が今シーズン最後かもしれないと思っての事である。しかし、みんなはエサでの落とし込み。僕はフライで挑戦するぞー!と意気込んでいたものの、この激戦区の一文字堤で、エサでも難しい場所なのにフライで果たして釣れるんだろうか?と、少々不安になり、一応落とし込みの用意もしていったのである。
到着と同時にフライロッドをセット、防波堤の外側は風が当たり波しぶきがたっていた。そこで、使用したのがタイプ21.8gのフライ、バーチカルフックである。
岸際を次々に落とし込んでいくが全くアタリがない。この波の中では、アタリがあっても解らないのか?それともフライだからダメなのか?もしかすると今日はエサでも釣れな日なのか?・・・・・・・・・そう不安になりだすと、周りの仲間たちの状況が気になってしまう。みんなだめなのかな〜?・・・・・
そこで目に入ってきたのはタツヤ氏のロッドを曲げている姿だ!釣れている。
どうしよう?・・・・・・・・・・・エサのが間違いないしね?・・・・・・さらに他の仲間も2名が次々とロッドを曲げているではないか!満潮から30分前、間違いなくジアイといわれる鯛の活性が上がる時間帯である。
今釣らなくては!
かなり迷っていたが、今日はフライでチャレンジと決め、次々にフライを落とし込んでいった。それから数投したとき、順調に落ちていく目印が、一瞬だがスッと入っていく。
直ぐさま聞きアワセをするが、無抵抗でフライは上がってきてしまった!どうして?間違いなく今のはアタリである。ほんの少しだがラインが不自然な動きをしたのは間違いないこと。これを見極められるようになるために、いままで修行を積んできたのだ。2ヶ月前の自分なら絶対に解らなかったラインの動きだが、この動きを、今は確実に見極める自信がある。間違いなく鯛はフライを口にした。
それから次々にポイントを変えフライを落とし込んでいったが、またも無反応だった。
周りを見渡すと、防波堤の内側にも少し波があるようで、先行していた友人が外側では無反応で内側へ移動していく。しばらくすると、ヒットさせている。そんな姿を見て、僕も波が小さく目印の動きが見やすい内側へポイント変更した。
防波堤の高い方が外側、内側は波が無くなってしまってからの写真です。釣りをした時は波がありました。フライをキャストすると、波の高いときはベストだった1.8gのフライは、小さい波間では沈下が早すぎるのである。
エサの修行で覚えたことだが、この速度が重要で、釣れないおじさんたちはいつも重めの重りをつけている人がほとんど、浮力のある目印に重い重り、確かにこれで当たれば見やすいし、はっきりとしたアタリが出るはず。しかし、活性が高い鯛以外はほとんど食べないので、たまにしか釣れないのだ。ドライフライをナチュラルに流すのと同様である。
ここでは書き表せれないが、ベストの沈下するスピードが存在する。それは数多く鯛を釣り、体で覚えるしかない。全くシンキングラインの本流の釣りで、指にかかるラインのテンションでフライの走るスピードを感じ、狙ったサクラ鱒を釣り上げるのと同様!体で覚えなければ解らない感覚である。
そこで、フライを軽めの1.3gに変更すると、ベストの沈みスピードになった。
ここで考えなければならないのだが、カラス貝を精密な量りで計測すると、だいたい1.3g~1.6g、フックと重りを計算にいれると1.8g~2gで、かなり重くなる。これは波が静かな場所での重りの大きさ。
しかし、フライを使用すると1.8gでも早く沈みすぎて使用不可能になってしまうのだ。
貝の中には、水が入っており、水の中においては、水の重さは同じだから、その誤差が生じてしまうわけで、あさはかな机上の理論ではダメと言うことですね。すなわち、空気中での貝の重さはあまり当てにならないということになる。大きさ形状による水の抵抗もありますから、なお複雑です。
堤防と堤防の隙間は水が通り抜け、好ポイントベストの沈みをするタイプ1のイガイ・フライを沈下させていくと、数投目に、今まで順調に沈んでいった目印が、一瞬止まったのだ!
エサの場合は、瞬時に早くアワセすぎると口先にフッキングし一走りでバレてしまうことが多く、スッと一瞬ためてから聞きアワセを入れるのだが、このときも同じように聞きアワセを入れると、ロッドに重さが伝わり、ラインが沖へ一気に走ったのである!
ヤッター!ヒット!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しかし、直ぐさま軽くなりバレてしまったのだ。
どうして?・・・・・・・・
フライを見ると、鱗がついているではないか!ということは、今のフッキングはスレだったのだ。
ここで、解ったことは、1回目はアタリだけ、そして2回目のアタリはスレ。すなわち、フライの場合は貝と違い一瞬にしてフライを異物と判断し、吐き出していること。だから、2回目は吐き出したフライが鯛の横もしくは下へ行き、その瞬間、聞きアワセで体にさわりフッキングしてしまったのである。
ボートで探るベイチヌのように、無警戒でラインを持っていくほど甘くなく、激戦区の鯛はスレスレだからこのような行動をするのだ。
吐き出される前に、なるべく早く聞きアワセをする必要があるので、フライはタイプ1。どの位置を食べてきても瞬時にフッキングできる形状だから、安心して即アワセを心がけ、次のポイントへ移動した。
キャストし、フライは順調に沈んでいく、1m・・・2m・・・・3m・・・
フッと、フライは止まったのだ!直ぐさま聞きアワセを入れると、ロッドに強烈な重さが伝わってくる。そのまま堤防から一気に引き離し水面に引き上げようとすると、沖に向かって猛スピードで走り出した!
「ヒット!」
「フライで掛かったよ!!!」 思わず友達に向かって叫んでいた。
絶対にバラしてはならない!
ティペットは5X。
慎重に慎重に扱い、何度もロッドを倒されラインを引き出されはしたものの、ようやく鯛は水面に顔を出したのである!
キャッチできたときは、めちゃくちゃにうれしかったです。
釣りビジョンからの依頼で始まったこの企画ですが、テレビのロケでは、全てバラしてしまい、めちゃくちゃにショックでした。
これがかなり引きずっており、ハイパーエキスパート始まって以来、思う魚が釣れない番組になってしまったことがかなりショックでした。今シーズンに再びロケへ行く予定はなく、自分の中では絶対にこのままでは終わることができないと、かなり気にしていたのです。
初めて九頭竜のサクラ鱒をフライで釣った時みたいに、プレッシャーが高かっただけに、本当に感激しました。
特に、「堤防の激戦区で、スレスレの鯛をフライで釣る」という自分の中での挑戦でしたので、うれしかったです!
よいところにフッキングしています!
フックは、811S #6
ロッドは、K・Bullet XD #4−5 11ft
ラインは、#5
40cm弱の黒鯛でしたが、かなり綺麗な魚体でした。
久々の感動!
うれし〜〜〜い!
黒鯛は、堤防そしてボートでのベイチヌなどと、フライフィッシングのターゲットとして面白い魚です!
みなさんも一度、フライで挑戦してみませんか?
真夏に渓流魚が土用隠れで釣れなくなったとき、源流の魚を相手に格闘するのもよいですが、その時期が一番よく釣れるといわれているクロダイですから、やってみてはどうでしょうか?
来シーズンの夏、僕は頻繁に行こうと思っています。
一緒に行きませんか?